中国の最新トレンドやビジネス事情を、中国インバウンド事業に従事する2人の営業マンが発信する「はじめてのインバウンド」。今回は番外編として、北海道で開催された「中国個人旅行客集客のノウハウ公開セミナー」をレポート。
中国で1.3億人がチェックしている旅行メディア馬蜂窝(マーフォンウォー )の運営会社から、劉 婷婷(りゅう ていてい)さんを迎え、中国の旅行市場や马蜂窝(マーフォンウォー)が支持されている理由についてお話ししていただきました。
営業責任者が語る!馬蜂窝(マーフォンウォー )の徹底活用法
登壇するのはこの日のために中国から来日したという馬蜂窝(マーフォンウォー )の運営会社に勤める劉 婷婷(りゅう ていてい)さん。「馬蜂窝(マーフォンウォー )の活用方法と日本での実績紹介」をテーマに語ります。
劉 婷婷(りゅう・ていてい)さん
馬蜂窝(マーフォンウォー )の運営会社、北京马蜂窝网络科技有限公司の営業責任者。馬蜂窝(マーフォンウォー )を通し、国内外の金融や日用品、自動車などの業界をメインにサービス提供している。
(トークの概要)
- 個人旅行が日常化した中国
- 中国人が马蜂窝(マーフォンウォー)を使う理由
- 马蜂窝(マーフォンウォー)で露出を増やすために
- 马蜂窝(マーフォンウォー)で人気の観光地・ホテル
毎年400万人が馬蜂窝(マーフォンウォー )を見て日本観光に
劉さん:本日、お話しするにあたり北海道に関連するデータを調べてきました。中国人は北海道を舞台にした映画「非誠勿擾」(フェイチェンウーラオ)や「黄色いハンカチ」を通して北海道を認知しています。若者の多くは撮影地を巡る旅をすることが増えているようです。
そんな中、2018年中国の出国旅行の人数は1.5億人に達し、旅行の消費額は1350億USドルを記録。中国でインターネットが発展した今、中国人にとって旅行が一種のライフスタイルとなっているのです。
私自身、個人的に北海道を訪れたことは何度かあったのですが、秋の季節に北海道に来たのはこれが初めてです。市街地の黄金色の銀杏から、山の合間にある赤く染まった紅葉。
今回の訪問で秋の北海道ならではの魅力を感じることができました。私と同じように、多くの中国旅行者は、まだ北海道の魅力を隅々まで理解しているとは言えません。
劉さん:そんな旅行者と観光地を繋げるのが马蜂窝(マーフォンウォー)の役割です。马蜂窝(マーフォンウォー)は毎年400万人の中国旅行客を日本へ誘導しています。利用最大のメリットは旅券・宿泊先の予約、旅行プランの提案まで、旅行の全行程を網羅していること。
サイト上では、ユーザーのアクセス情報や閲覧履歴などから関連情報をプッシュし、そのユーザーに最適だと思われるコンテンツが配信されます。ユーザーが旅行プランを作成しやすいのも马蜂窝(マーフォンウォー)を使うメリットです。
ユーザーからの信頼を得ているポイントは膨大な口コミ数と情報量
劉さん:ではここで更に詳しく马蜂窝(マーフォンウォー)についてお伝えしていきます。まず马蜂窝(マーフォンウォー)で北海道を検索すると、画面左にQ&Aが表示されます。
Q&Aでは、「札幌と小樽、函館をどういうルートで巡ればいいのか」や「何を買うべきか、どこで買えるのか」「白い恋人の工場は行くべき?」などの詳細な内容が質問されています。
劉さん:こちらは施設、店舗ごとの情報が閲覧・投稿できる「POI」というページ。「POI」はサイト内に6300万箇所登録されており、検索表示画面でランキング表示がされています。北海道の上位には旭山動物園や地獄谷、小樽運河などがランクインしています。
劉さん:「POI」のほか、サイト内にはInstagramのような感覚で投稿できる「ショートコンテンツ」、ブログのような感覚で投稿できる「ロングコンテンツ」があります。この「ロングコンテンツ」には、観光チケットやホテル予約などのページも紐付けられています。
両コンテンツを合わせると現時点で962万もの投稿が蓄積されており、更に1ヶ月ごとに70万もの投稿が増え続けています。
そして旅行中は、旅行者のGPSをもとに、現在地近くのおすすめの場所を探すことも可能。そして、旅行が終わると実体験を「ショートコンテンツ」や「ロングコンテンツ」として投稿します。
このように马蜂窝(マーフォンウォー)は旅前、旅中、旅後の、旅行すべての行程に携わっているのが特徴です。
効果的な広告を打ち出しサイト内で露出を増やす
劉さん:これを踏まえたうえで、马蜂窝(マーフォンウォー)の活用術として、4つを提案したいと思います。
- コンテンツ代理制作
- 広告を活用し露出を増やす
- 「特集」を活用する
- イベント・キャンペーンと連動
1つめは、马蜂窝(マーフォンウォー)上に多くのファンを持つ「達人」にコンテンツを制作してもらう手法。また、马蜂窝(マーフォンウォー)内の編集チームが、その観光地に関連するユーザー動向などのデータをもとに記事を作成することも可能です。
2つめが広告を使って露出を増やす方法。広告はサイト内のさまざまな箇所に出すことができます。
TOPページに表示する広告や、ユーザーの閲覧履歴のデータに関連する内容を表示する広告、検索画面に表示される広告、「ロングコンテンツ」内のバナー埋め込みなどがあります。
3つめはさまざまなページに「特集」を掲載する方法です。「POI」上の「特集」ではページ上にリリース情報やコーポレート情報が記載できるようになり、「ショッピング特集」に掲載すれば、ブランドや商品の露出を増やすこともできます。
4つめはイベントやキャンペーンを掲載する方法。動画や画像、テキストでイベント情報を掲載することができます。あるブランドは商品を制作・販売するキャンペーンを動画で告知した結果、2万3000個もの商品が購入され、動画は国際的な広告大賞を獲得しました。
このように、马蜂窝(マーフォンウォー)では今までいろいろな旅行地の企業さまと連携をとり、現地の魅力を伝えてきました。ぜひ、旅行者へアプローチする手段に马蜂窝(マーフォンウォー)を活用していただけると嬉しいです。
马蜂窝(マーフォンウォー)ユーザーに選ばれた3つの北海道企業
马蜂窝(マーフォンウォー)では、毎年、昨年のユーザーが投稿したコンテンツをもとに「马蜂窝(マーフォンウォー)旅行者の選択」を選出しています。この日、会場では選出された3つの企業が発表されました。
白い恋人パーク担当者
「马蜂窝(マーフォンウォー)内に口コミが多いということから、選出いただきました。白い恋人パークでは2017年、75万人のお客さまに来ていただきました。うち、海外のお客さまが約35万人。その中の約15万人が中国からのお客さまです。2019年のリニューアル後も、马蜂窝(マーフォンウォー)を見ているお客さまにぜひ足を運んでいただきたいと思っています」
ホテルモントレ札幌担当者
「非常に特徴のある外観が評価されたのかなと思っております。ここ最近はインバウンドの状況が厳しくもありながら、中国の個人のお客様は増えている状況です。今後もより良いコンテンツを提供し、またお客さまに選ばれるようなホテル作りを行っていきたいと思っております」
旭川市旭山動物園担当者
「動物のありのままの姿を観察できるような施設づくりを行なっている点を評価いただいたのだと思います。HPやパンフレット、園内看板などを多言語表記しているところではありますが、今後は多言語化サービスの提供や入園時のキャッシュレスサービスの導入も進めていきたいと考えております」
劉さん:これからも马蜂窝(マーフォンウォー)の長所を活かし、日本の旅行業と中国の旅行者たちの架け橋になりたいと考えています。本日はどうもありがとうございました。
旅前から中国旅行客へアプローチできる馬蜂窝(マーフォンウォー )
旅行前にプランを練る工程から、旅行後の発信まで全てを担っている馬蜂窝(マーフォンウォー )。今後更に増える中国旅行客を上手に取り入れるためには、馬蜂窝(マーフォンウォー )の活用が必須となりそうです。
次回は、このブログの主人公である営業マン道明が登壇する様子をお届け。中国インバウンドの可能性や、日本から見た馬蜂窝(マーフォンウォー )の活用術などをテーマに語ります。お楽しみに!