中国の最新トレンドやビジネス事情を、中国インバウンド事業に従事する2人の営業マンが発信する「はじめてのインバウンド」。今回は前回から引き続き、今中国で最も見られている旅行情報メディア「馬蜂窩(マーフォンウォ)」をチェックしながら、河口湖周辺の旅の様子をお届け。前編で巡った観光スポットは、訪日中国人に人気の「富士山ビュー特急」「富士山パノラマロープウェイ」「富士山展望台」「河口湖遊覧船」。果たして後編では、どこに繰り出したのでしょうか。
趣ある風景が訪日中国人から大人気「忍野村(おしのむら)」
片倉:体内が浄化されていく……。
道明:身体が喜ぶ美味しさですよね。ミネラル成分が豊富な「忍野八海(おしのはっかい)」の湧水池の水は、美容や健康に良いと言われているそうですよ。
片倉:体内の80%をこの水で満たしたいね。
片倉:すごい。水が綺麗すぎて水深8メートルの池なのに底まで透き通って見える。
道明:名水百選にも選ばれた湧水池のある「忍野村」は、訪日中国人から注目を集めている観光スポットなんです。
片倉:確かに、すれ違う人のほとんどがアジア系の海外の方達だね。古風な通りなのに聞こえてくる言語がほとんど外国語だから不思議な感覚。
道明:昔の日本を感じさせる情緒ある街並みを堪能できる場所として観光に組み込まれているのではないでしょうか。
もともと河口湖エリアは中国の人が観光しやすいように整備されているので、近隣の観光スポットも中国からの流入が増えているんだと思われます。
道明:売店では山梨県の特産物や忍野村の名物を買ってその場で食べることもできますよ。有名なのは「名水餅」こと、よもぎ餅。忍野産のよもぎを使用しているようです。
片倉:焼き立ての香ばしさと、濃厚なよもぎの風味、柔らかいお餅が美味しい……。
チケットも飲食も電子決済可能!大人も楽しめる「富士急ハイランド」
片倉:やったー!出張で来れると思ってなかったー!!
道明:山梨のテーマパークと言ったら「富士急ハイランド」ですよね。園内ではチケット購入だけでなく、アトラクションの発券機や飲食店などでも「WeChat Pay」が使えるので中国の方も多く来ているみたいです。
道明:ちなみに「WeChat Pay」内でも、「富士急ハイランド」のチケットは購入することができます。ほら。
片倉:へえー。現地に行く前にチケットを買っておけるのは旅行の安心材料になりそう。
片倉:富士急と言ったら、大人も阿鼻叫喚するほどの本格アトラクション!
道明:まずは、その代表格と言われる「FUJIYAMA」に乗りましょう。
片倉:人生で初めての「FUJIYAMA」にスーツを着て乗り込むなんて思わなかったよ。とんでもなく浮きそうだけど、とにかく楽しみ。
片倉:途中ネクタイに視界を遮られて、形容しがたい不安に襲われた……。
道明:自分でも聞いたことのない高音と低音の声がそれぞれ出ました。きっと中国の方も同じ現象が起こっているんだと思います。
片倉:とは言えせっかく来たんだからここで帰るわけにはいかないね。
道明:それなら、発射1.56秒で時速180キロを出しながら爆走する「ド・ドドンパ」をきめましょう!
片倉:あまりの猛スピードに時空を超えそうになった……。
道明:異世界にトリップして何かしらの巨悪から世界を救った後、また現世へ戻って来たくらいの達成感はありますね。
道明:そろそろ日も暮れてきたので、おいとましましょうか。
片倉:人間関係のしがらみとか、仕事の悩みとか、全部力技で降り落とせた気がする。
道明:中国の方も山梨流リフレッシュ法を体験できていることを望みます。
インバウンド需要をキャッチしたら、お土産の売り上げが前年比125%に
片倉:いやー、遊んだ遊んだ!出張(観光)って良いもんだねえ。
道明:河口湖駅の構内には、売店もあるんです。折角なのでお土産を買って帰りましょう。
道明:ここでは「WeChat Pay」が使えるので、中国の方も多く利用しているようですね。ここに来る訪日観光客の中で46%が中国の方らしいですよ。売り上げは2018年と比較すると今年は125%まで伸びているみたいです。
片倉:え!?なんでそんなにいきなり伸びたの!?
道明:駅に来た訪日中国人の目に付くよう、「WeChat Payが使用可能」という旨のポスターやのぼり旗を、駅のあらゆるところに設置したらしいです。
片倉:意外とシンプルな施策。中国の方が普段慣れ親しんでいる「WeChat Pay」のロゴに外国で出会えるとホッとするんだろうね。もはや「WeChat Pay」は中国観光客のライフラインなのかも。
道明:では、ここで中国の方に人気のお土産を発表していきますね。
片倉:あ、自由時間は設けてもらえないんだ。
道明:第3位は「パノラマ ポストカードセット」(1,100円)です。
片倉:渋い!
道明:日本のシンボルとも言える富士山の、四季折々の姿が収められたポストカードです。日本ならではの風景なので、見返すたびに「ああ、日本に行ったなあ……」という余韻に浸れますよね。
片倉:確かに、海外に行ったらその国の名所のポストカードって買いがちだよなあ。
道明:第2位は「富士山ベイクドショコラ」(12個・710円)です。
片倉:あ、また富士山だ。今度はお菓子だね。
道明:口どけの良い食感のチョコクッキーに、ミルクチョコレートがサンドされた一品です。
片倉:パッケージにも富士山が描かれているのもポイントだね。
道明:記念すべき第1位に輝いたのは……「フジヤマクッキー プレーン&ホワイトチョコ」(10個・1,550円)です!
片倉:はいまた富士山!!
道明;河口湖の近くに本店を構える「FUJIYAMA COOKIE」がひとつひとつ丁寧に焼き上げたホロサク食感のプレミアムクッキーです。
片倉:カラフルな富士山が拝めて、目でも楽しいお土産。
道明:河口湖駅の訪日中国人に人気のお土産は「その国のイメージに直結するビジュアルの分かりやすさ」という共通点がありましたね。
道明:お会計はもちろん「WeChat Pay」でお願いします。
片倉:店員さんも「WeChat Pay」の対応に慣れていてスムーズだ……。
道明:もはや様式美ですね。写真撮っておきましょう。僕はこの写真を後で眺めて、今回の河口湖旅行の思い出に浸ろうと思います。
日本ならではの風景・商品・レジャー×電子決済=無限大のインバウンドの可能性
「馬蜂窩(マーフォンウォ)」を参考に巡る、河口湖周辺の旅。中国で主流となっている電子決済が行く先々で使用できた河口湖エリアでは、訪日中国人の購買動向を掴むこともできました。今後も、道明と片倉が自身の目と足と心を使って、最新の中国のインバウンドに役立つ情報をお届けしていきます。次回もお楽しみに!